【合格しました!!】令和4年度(2022年)行政書士試験の結果と振り返り
合格しました!!!
更新が遅れましたが、ついに行政書士試験に合格しました!!!
思えば昨年2点足らずで落とされてから苦節の1年間…。長い道のりでしたが、ついに悲願達成です!!!
久しぶりのブログ投稿です。勉強ノートということで始めたこのブログですが、試験を目前に余裕がなくなり、ずっと手付かずになっておりました。
試験後もなんだかんだと手をつけられずほったらかしに…
結果がどうあれ更新はしておこうと思ったのですが、良い結果に終わって本当によかったです。
ちなみに得点はこんな感じです。
今年の方針や振り返りを記していきますので、似たような境遇の方の参考になればと思います。
2点足らずの不合格からのスタート!今年は択一のみで合格を狙う!
昨年2点足りずに落ちたこともあり、今年は択一だけで合格を決めに行く方針でした。
予備校の模範解答などを見ていたら、大体文意は掴めていたし択一で166点。
残り14点ぐらいは記述で取れているだろうし受かったんじゃないかな、と日々を過ごしていました。
しかし合格発表当日、いくら見ても自分の番号がない…!?正直ショックよりも何が起こったのかが分からない状況でした。
翌日届いた得点表を見て、なんと2点足りず!!
この結果には愕然としました。
周囲の受験生も予備校の採点サービスで40〜50点取れていた方達が、一桁だの10点台前半(!?)といったことが頻発し、鬼採点だと話題になった年だったのです。
プロが採点して、そんなに点数にズレが出るというのは普通考えにくいですよね…。
ましてや法律の試験でたかだか40文字程度の記述、客観的な答えが当然導き出せるはずですから。
そんなに差異が出たら問題自体がおかしい、ということになります。
結局その年は、これまででは見られない超減点が大量に見受けられ、「条文を一言一句超厳密に再現しなければ大幅減点だったのではないか?」というのが予備校やネットで囁かれました。
そうでもなければ到底説明のつかないレベルだったのです。
それまでは文意が取れていればそれなりにもらえる試験だったので、私もそれを当て込んでいました。
条文というのは完全に覚える必要があるものではなく、都度使うときに六法を引けば済む話です。
法学部でも問われるのは法的な思考法であり、条文はツールであって、その場で参照して答えが導き出せれば良いものでした。
なので、六法の持ち込みはOKでした。
答案は書き直せないようにボールペンで書くことになっていたり、カンニングがバレたら一発で退学(本当に退学者が出ていました。嘘でもなんでもなく本気で一発で退場させられるのは寒気がしました)と、かなり厳格な試験にもかかわらず、六法の持ち込みはOKだったのです。
だから、この年の採点基準として提唱された“超厳密な条文再現の要求”というのは、はっきり言えばほとんどイチャモンの領域です。
そして、この基準自体も、毎年採点基準が公表されないため、外側からは誰も分からないのです。
このブラックボックスの記述が合格者数の調整に使われてる、ということはしばしば耳にしましたが、この年はまさに知られざる“神の見えざる手”の存在に一騒ぎあったのです。
※昨年比受験者数6,000人増、というこれまでに見られない受験者数増も令和3年度の大暴れの一因ではないかと思われます。
https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/trans.pdf
はっきり言って些細なイチャモンなどつけようと思えばいくらでもつけられます。相手のご都合・お気持ち次第となればいくら対策してもそれを防ぐ手立てはありません。
ゲート・オブ・バビロン(※)ばりにぶん投げ放題です。
※Fateシリーズの理不尽なまでに強いキャラクター、英雄王ギルガメシュの攻撃の一つ。動画冒頭〜40秒程
発動するか否かさえも全ては相手次第です。ここまで理不尽かつ不条理なクソゲーがあるでしょうか。
スーファミ時代はゲーム産業がそこまで成熟されておらず、今となっては笑うしかない殺生なクソゲーが大量にありましたが、これほどのレベルは見たことがありません。
この経験で私は一つの結論に達します。
行政書士試験は記述をアテにしてはいけない…!
ということで、今年は択一だけで合格を狙いに行くという方針を採りました。
択一だけで取れていれば文句なしに絶対に合格になりますし、発表まで不安に駆られることもないと思ったからです。
択一だけで合格できなくても、択一で合格が狙えるレベルになれば、ある程度記述もついてくるだろうとも考えました。
記述の対策は予備校などでも巷では色々と言われますが、結局どこで何点になるなど採点基準は試験側で明らかにされず、点数だけがボンと返ってきます。
ある程度の傾向はあるかもしれませんが、どこまで研究しても外からは推測することしかできません。
なので、「はっきりこうすれば取れる」という対策や、確実に得点できる保証がないと考えました。
それなりの対策はしますが、あまり計算に入れないことにしました。
再受験にあたってやったこと
昨年度の問題・苦手分野の分析
昨年度は某大手予備校に入っていましたが、もう教材は持っているし一から同じ講義を聴き直さなくてもいいかと思ったので、今年は独学を採りました。
テキストや過去問は昨年のものを使い、自分で計画を立てて勉強していく形です。
法改正は民法の成年年齢の変更ぐらいだと思ったので、これは自分で勉強しました。
gyouseisyosi-study.hatenablog.com
一通り全体の勉強は終わっているので、まず前年度の苦手分野を間違えた問題から分析しました。
これで大体どこが弱いかが見えてくるので、苦手分野・理解の弱い分野から手をつけていきました。
行政法と民法の苦手分野を重点強化
まず強化の必要性を感じたのは行政法です。
行政法は一番配点が大きく、一番勉強すれば得点が伸ばせる科目でもあります。
他の科目に比べて年による難易度の変動も少なく、ここが得点源にできないとまず合格できません。
やはり行政書士試験はその名に違わず、行政法の出題がかなり大きな割合を占めます。行政法を制する者が試験を制すると言っても過言ではないでしょう。
左を制する者が世界を制す、リバウンドを制する者がゲームを制する。
すみません、余計ですね笑(SLUM DUNKの劇場版、興味あるけどまだ行ってません)。
昨年一通り終わっているのでなんとなくの理解はできているのですが、12/19問というやや物足りない結果でした。15問以上は取らないと合格は厳しい、というのが体感です。
全般的にもっと詰める必要を痛感しました。
行政法を得点源にするには、各法律(行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法)を跨って似た概念や用語が多いため、個別に繋がりや概念がちゃんと理解・整理できていないと難しいです。
「一応知っている」ぐらいの表面的な理解だと、試験はまさにそこを突いてきます。
各法律の似たような用語や概念を混ぜ合わせ、迷わせたり失点を誘ってくるのです。
これで「一通りは知っているのに、際どいところで失点する」ということを繰り返していました。
今年はその点を意識して、根本から理解を突き詰めていくことを意識しました。
あとは「行政法の中でも行政手続法が弱い」・「行政事件訴訟法の訴訟類型の整理などが固まりきってない」・「民法は債権総論が弱い」などの弱点が分かりました。
なので、そういった弱いところからまず手をつけていきました。
ブログをこの辺をテーマにして書いたのも、対策の一貫です。
gyouseisyosi-study.hatenablog.com
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憲法
憲法はほぼ満点だったので、後回しにしました。
安倍元総理の国葬の件は世の中でも注目されましたし、普段手付かずの憲法の勉強し直しも兼ねてブログにしました。
結果的に行政法とも重なるところが多く、かなり良い復習になりました。
gyouseisyosi-study.hatenablog.com
あとは直前に違憲の判例を見直しました(憲法は違憲の判例が少ないのでそれを重点的に覚えて、あとは合憲と考えるのが良いです)。
商法
商法に関しては、本当はもっとやりたかったのですが、全部網羅する時間がなかったので、いつも出題されている設立と株式をおさえる方向にしました。
商法に懸ける労力というのは例年多くの受験生が悩まされるところかと思います。
範囲が広くて用語や概念が入り組んでいるため、確実に得点源にしようとするとかなり勉強が要りますし、他の分野の勉強の時間もかなり削ってしまう可能性があります。
かといって「捨てる」にしても、割とバカにならない配点となっています。
そういったところで「商法にどれぐらい時間を懸けるのか」は試験におけるキーポイントとなるかと思います。
一般知識
一般知識は、私は昔から社会科目と時事ネタが好きなので、1問しか間違えていませんでした。対策という対策よりも、日常的にニュースなどに目を通しました。
出題されそうなネタの傾向を拾って、普段から時事ネタにアンテナを張って置きました。
直前機には模試をネタ取りの感覚で受けに行きました。
別に正解できなくても、その年注視されているテーマの傾向を掴むことができます。
模試で出題された分野の解説を読み、テキストなどを見直しました。
私が受けた模試の一般知識はやたら難しく、足切りレベルの点数を初めて取ってびっくりしました。
本番でこんな難しいのが出たら終わりだと思い、割と懸命に復習しました。
結果的に、本番ではちゃんと40点取れました。
模試は簡単すぎると予備校が大したことがないと思われたり、「あそこの模試はこんなに簡単だったのに本番は段違いで難しい!騙された!」となるのを避けるためなのか、難しめに作ってあるのかもしれません。
模試は点数が悪くても必要以上に不安になることはないかと思います。
得点を取るよりも、直前期の勉強しどころチェックぐらいで活用しました。
感想と振り返り:法令択一
散々先述したとおり択一のみで合格を目指しましたが…結果的に170点で択一だけでの合格には及びませんでした…!
択一だけで決めることができませんでしたが、択一を固めて行けば記述もある程度は取れるだろう、という手はずどおりには行って良かったです。
今年は科目ごとの難易度が結構バラつきがあったかと思います。憲法・商法などが難しく、民法・行政法などは例年どおりかと思いました。
憲法や会社法の分からなかった問題は、多分かなり力を入れて勉強していても分からなかったと思うので、結果的に時間を他の分野に注いで良かったと思います。
今年の勝因は行政法がきちんと得点源にできたことです。例年もっと取りたいと強く願っていた行政法ですが、今回は16問ゲットできっちりと得点源にすることができました。
感想と振り返り:記述
先述した通り、合格にあたってあまり計算に入れなかった記述です。
とはいえ結構書けたので、あまり期待せずとも半分以上は取れただろうなと思ってました。
予想より低い点数でしたが、例によって何がどうなってこの点数なのかは分かりません。
受験後気力が尽きたので予備校の採点サービスは出しませんでしたが、今となってはどのぐらいギャップが出るか、出しておけば良かったかもと思います。
【一問目】
行訴法の訴訟類型を選択させるという典型的なパターンです。
行訴法は似たような言葉が多くて混乱しがちで、きちんと理解と場合分けができていないと書けない問題です。
すぐにはどの訴訟になるのか分からなかったので、上から順番に取消(採決・処分)・無効・不作為・義務付け・差止め、と全類型を書き出して要件を検討していきました。
後で考えれば分かっていたのですが、残り時間の焦りもあり、問題文に釣られて被告を「B市長」にしてしまいましたが(正解はB市)、訴訟類型は正しく選択できましたし、「重大な損害を生ずるおそれ」というワードも拾えました。
【二問目】
無権代理人と相続の問題です。
パターンごとに追認拒絶が認められるor認められないに分かれるので、それぞれの判例の理解などが重要になって来ます。
これは答えとしては本人が無権代理人を相続し、追認拒絶が認められるパターンです。その際に信義則という言葉がキーワードになり、これに反しないため認められることになります。
これは信義則というワードと、認められるという結果が両方書けました。
【三問目】
土地の不法占有者に対する、所有権に基づく妨害排除請求権の代位行使の問題です。
「妨害排除請求権」というワードは書けましたが、所有権ではなく、問題文面どおり「賃借権に基づく」と書いてしまいました。
しかし、「塀の撤去を求めることができる」という結論は書けました。
2問目はほぼ解答例と同じように書けており、その他2問もポイント(予備校の模範解答基準)を1つは落としたけどほぼ解答どおりだったので、記述に関しては30点は超えるだろうと思っていました。
やはり点数に不満というより、結果にかかわらずこのプロセスの不透明さは改善されるべき問題かと思います。とりわけ法律の試験なのですから、客観的な透明性は担保されるべきででしょう。
感想と振り返り:一般知識
案の定、出るだろうと思っていたロシアや核関連などはきちんと押さえられました。
核や環境問題は人類の存続とも切っても切り離せない分野ですし、時勢上、重要性や注目が高まる一方なので、今後も頻出の分野かと思います。
あとは、デジタル関連も頻出ですので、この辺りのキーワードや関連法は押さえておくと良いです。
DX、XR、メタバース、AI、ESG、SDGs、この辺のキーワードはおそらく今後も要チェックです。
行政書士業務とは直接関係なさそうですが、世の中やテクノロジーにキャッチアップしておくのは有用かと思います。
終わりに
ということで、色々あった末、今年は合格!!!めでたい結果に終わることができました。
試験は終わりですが、引き続き日々頑張って参ります。
目標は達成しましたが、このブログが微力ながらも、自分のようなもう少しのところで不合格になってしまった受験生の役に立てれば幸いです。
読んでいただきありがとうございました。