あと2点の壁を超える行政書士試験勉強ノート

2021年の行政書士試験をあと2点で不合格になった筆者が、今年こそ合格を目指していく勉強ノート

【行政法】行政手続法:地方公共団体の適用除外についての整理

はじめに

行政手続法の適用除外は頻出のテーマです。今回は、その中でも混乱しがちな地方公共団体が行う手続等についてまとめていきます。

行政手続法の適用対象(第1条目的条文)

まず、行政手続法の対象については、第1条の目的条文にまとめられています。

行政手続法第1条 この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかであることをいう。第四十六条において同じ。)の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。

 

「処分」、「行政指導」、「届出」、「命令等制定手続」の4つが対象です。本稿のテーマではありませんが、この目的条文の「公正の確保」と「透明性」の向上、「国民の権利利益の保護」なども穴埋めなどで頻出の分野です。

 

地方公共団体における適用除外ケース

行政手続法が地方公共団体において適用除外されるケースは、第3条3項にあります。

 

行政手続法3条3項 第一項各号及び前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第七号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第六章までの規定は、適用しない。

 

文字で読んでも分かりにくいですが、図にするとこんな感じです。

 

  処分 届出 行政指導 命令等制定手続
法律・命令に基づく 適用あり 適用なし
条例・規則に基づく  

 

まとめ

要するに、根拠が「法律・命令(国)」、「条例・規則(地方公共団体)に基づくかどうかで、適用されるか否かが変わるのは、「処分・届出」のみです。「行政指導・命令等制定手続き」はどちらに基づいても行政手続法の適用はありません。

 

ただし、適用されないからとはいえ法律の埒外で好き勝手やってよし、ということではありません。行政手続法の規定にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければなりません(46条)。